むし歯とは、口の中に潜むむし歯菌が歯の表面に歯垢を形成し、糖分を栄養源として酸を作り出して歯を溶かす病気です。
ごく初期のむし歯を除き、むし歯の部分を削らなければ治ることはありません。治療を受けない限り進行を続けるため、放置するといずれ歯を失ってしまいます。
そのため、むし歯になる前に定期的に歯科医院に通いメンテナンスを受けることが大切です。

むし歯になりやすいのは、歯と歯の間、歯の根元、詰め物と歯のすき間の3ヶ所です。これらの部位をより入念に磨くことで、むし歯のリスクを抑えることができます。

歯の根元に付着した歯垢を見逃すと、加齢によって歯茎が下がってきたときに、歯の根元に虫歯ができてしまいます。また、以前にむし歯の治療で詰め物を入れたところと歯の間に年劣化によるすき間が開いてしまい、そこに歯垢が溜まることでむし歯になる場合もあります。

歯の表面を覆うエナメル質が脱灰と呼ばれる現象で白く濁った状態です。
適切な歯磨きやフッ素塗布で、溶け出した歯の成分が歯に戻る「再石灰化」を促すことで改善が期待できます。

エナメル質がさらに溶けて黒くなった状態です。
痛みはありませんが、ときおり冷たいものがしみる場合があります。
治療では、むし歯の部分を削ってレジンで穴を埋めます。

歯質（象牙質）にまでむし歯が到達し、冷たいものや甘いものがしみるようになります。
神経の近くまで進行したむし歯は、痛みを感じることがあります。
治療では、むし歯の部分を削って詰め物で歯質を補います。

歯の神経にまでむし歯が到達した状態です。
何もしていなくても激しく痛みます。
治療では、歯の神経を完全に除去して薬を詰め、被せ物による治療をします。

歯冠の大部分が失われた状態です。
神経が死んでいるので痛みはありませんが、歯根の先に膿が溜まった際には激しい痛みが再発します。
多くのケースでは抜歯が必要です。
抜歯後は、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで歯の機能を補います。

根管治療とは、歯の神経にむし歯が到達した際に行う治療法です。
根管は歯の内部にある血管や神経が通っている部位です。
根管内の神経や血管などを全て取り除き、内部を洗浄・消毒してから薬を詰め、その上に被せものをします。
成功すれば歯を残すことができるため、歯が痛いのを我慢せずに、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。

根管の内部は複雑な構造をしているため、1回の治療で完了するとは限りません。
場合によっては複数回の治療が必要になります。
その際は、最後まで必ず通っていただくことをお約束いただきます。
もし、治療を途中で中断されると、むし歯が再発してしまい、今度は抜歯が必要になる恐れがあります。

生涯にわたり、ご自身の歯でお過ごしいただくためにも、根管治療は最後まで受けることが大切です。