歯の健康に対する意識は、年々高まっています。毎日の丁寧な歯磨きや歯間ブラシでのケアなど、セルフケアができている人が増えてきている印象です。しかし、それだけではむし歯や歯周病を防ぐことはできません。どうしても磨き残しが生じてしまい、そこにむし歯や歯周病が発生します。むし歯や歯周病は自覚症状に乏しく、気づいたときには重症化しているケースが少なくありません。

そのため、定期的に歯科医院で歯のクリーニングやフッ素塗布、口腔内チェックなどを受け、お口の健康を守る意識を持つことが大切です。生涯にわたり、ご自身の歯で食事や会話ができるように、定期検診を欠かさないようにしましょう。

日本では、むし歯になってから歯科医院に行くものという認識が定着しています。一方で、ヨーロッパなど歯科先進国では、6～7割ほどの人が定期的な歯のメンテナンスを継続しています。このように、むし歯になってから歯科医院に行くという考え方は、歯科医療においては遅れた考え方だと言えるのです。日頃から歯のメンテナンスを欠かさないようにして、むし歯や歯周病を防ぎましょう。

歯磨き指導では、歯並びや噛み合わせなどまで考慮した正しい歯磨きの方法を歯科衛生士が指導します。
当院では、患者さまそれぞれに適した歯磨き方法をアドバイスいたします。

フッ素とは、歯質を強化して歯の再石灰化を促すことでむし歯のリスクを抑える成分です。
歯の表面にフッ素を塗ることで、むし歯に強い歯へと導くことができます。定期的にフッ素塗布を受けて、むし歯に負けない歯を作りましょう。

PMTCは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略称で、歯科医師や歯科衛生士などの専門家が専用の機械で歯を清掃することです。毎日の歯磨きでは落としきれない歯垢や歯石を除去して、歯の表面をツルツルに磨き上げることで歯垢や歯石の再付着を防ぎます。

定期検診の目的は、むし歯や歯周病の早期発見・早期治療です。発見が遅れると治療回数と通院回数が増え、それだけ医療費も高くなります。定期検診でむし歯や歯周病を早期発見・早期治療ができれば、治療の負担を抑えられます。また、治療後は歯のメンテナンスを行いますので、歯垢や歯石、着色などを除去して、白い歯を取り戻すことも可能です。

厚生労働省は、満80歳で20本以上の歯を残すことを提唱した「8020運動」を提唱しています。定期検診でむし歯や歯周病を早期発見・早期治療することで、入れ歯やブリッジ、インプラントを使わなくてもしっかり噛める口腔状態を維持できます。

生涯にわたり、ご自身の歯で食事を楽しむためにも、まずは定期検診を受けていただくことが大切です。